子宮癌(しきゅうがん)

子宮癌は、子宮の入り口にできる子宮頚癌(しきゅうけいがん)と子宮の奥の方にできる子宮体癌(しきゅうたいがん)に分けられます。

ここでは子宮頚癌のことをお話します。

子宮頚癌は以前に比べて若い人にも発生しています。

ヒトパピロ−マウイルス(HPV)というウイルスが、セックスを介して女性に感染(かんせん)します。多くの場合は、自然に治ります。でも、治っても何度も感染します。まれに、治らずに、ずっとウイルスに感染している場合があり、そこに喫煙などの他の原因も加わって、何年かたって子宮癌が発生します。

感染してもほとんどの人は何の問題もありません。感染した人のごく僅かの人が、子宮頚癌になります。

このヒトパピロ−マウイルスはどこにでもいるごく普通のウイルスです。稀にイボを引き起こしますが、男性にはほとんど影響を及ぼしません

このパピロ−マウイルスには、様々な種類があります。子宮頚癌をおこしにくい種類や子宮頚癌をおこしやすいタチの悪い種類があります。
このタチの悪いウイルスに感染しているかを調べる検査法があります。
私のクリニックでも女性に対し検査を行っています。ただし保険が効かず、自費料金です。

2009年12月にパピロ−マウイルス(HPV)に対するワクチンが使えるようになりました。ヒトパピロ−マウイルスワクチンと言います。
癌を起こしやすいタチの悪いタイプのパピロ−マウイルスに対するワクチンです。全てのタイプのパピロ−マウイルスに有効なのではありません。
癌になった人へ使うのではなく、予防に使います。ですから子宮頚癌予防ワクチンとも言われます。
くどいですが、癌の治療薬ではありません。

既に世界の多くの国で使われています。

10才以上の女性に使います。(45〜50才以上の方は、ワクチンはしなくとも良いという意見があります。)

ヒトパピロ−マウイルスが自然に消えたり、何度も感染したりするし、また他のタイプのパピロ−マウイルスの感染のこともあるので、セックス経験者でも、タチの悪いタイプのウイルスの感染予防には有効です。

すでに、このタチの悪いパピロ−マウイルスにずっと感染している女性に、このワクチンを投与しても、副作用はありません。
ですが、残念ながら、すでに感染しているウイルスを取り除くことは出来ません。ワクチンが無駄だった事になります。
つまりワクチンは新たに感染するタチの悪いヒトパピロ−マウイルスの感染を防ぐのです。

このワクチンは高価です。一回15000円で、間隔を空けて、合計3回の接種が必要です。
(ただし定期予防接種の対象女性;女子中学生や女子高校生;は、無料で接種を受けられます)

ワクチンで予防できるのは子宮頚癌の7割と言われます。全ての子宮頚癌が防げるわけではありませんので、ワクチンを受けた人でも子宮癌検診は必要です。

当院ではこのワクチンを接種できます。予約制です。
接種希望の方は当院に電話してお聞きください(TEL 0183-72-1735)

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産婦人科の癌検診では、癌になる前の前癌状態(ぜんがんじょうたい)から発見できるために、毎年集団検診をうけていると、たとえ癌が発見されても、非常に早期に発見されるために、子宮の一部または全部を、手術で取り去るだけで、永久に治ると考えてよいと思います。

若い人で、まだ赤ちゃんも産んでいない人の場合には、早期の子宮癌に限り、子宮の入り口の一部だけを切り取り、子宮をとらないで経過を見ることがあります。私(秋山)も、雄勝中央病院に勤務中には、何人か経過を見ている人がいました。無論妊娠もできます。

子宮癌は放射線治療が効果があります。手術と同じ程度でしょう。

さて、数年前から子宮癌の集団検診は、二年に一度でよいと云われています。各市町村からの勧告も二年に一度でしょう。

私は、一年に一回受けるべきだと思います(2013年)。私の仲間の婦人科医師も、「一年に一回受けた方がよいのになあ」と述べています(2009年)。

一年前の事もあまり覚えていられないのが人間です。
「確か去年癌検診をうけたなあ」という患者さんの言葉を調べてみると、実際に癌検診を受けたのは数年前だったという事が多いのです。
毎年受けようと思っていても、丁度都合がわるくて、その年に癌検診を受けられない人もいます。
癌検診は個人で検診をうけてもさほど高価ではありません。

そのような訳で、私は一年に一度がよいと思っています。

子宮体癌の集団検診については、私も迷っています。
でも、子宮体癌は明らかに増えてきています。若い人にも増えています。
積極的に、子宮体癌の検診を行おうと今は(2013年)は考えています。

子宮体癌の検診は子宮頚癌の検診に比べると、やや値段が高く、痛みが少しあり、時間がややかかります

私がやると、子宮頚癌では15秒以内に終わりますが、子宮体癌では30秒位はかかるかなあ。時には、子宮の入り口が閉じていて、長時間をかけても子宮体癌検診が出来ない人もいるくらいです。このような方は超音波で子宮の奥がどうなっているかを見て判断せざるをえません。

2013年4月