自律神経失調

自律神経失調(じりつしんけいしっちょう)とか自律神経失調症(じりつしんけいしっちょうしょう)という病名を聞いたことがあるでしょう。

私はあまり使いたくない病名です。

我々の医師のなかで、品が良くない言葉ですが、<ゴミためのような病名>という言葉があります。
よく解らないような症状にであう時に、このような病名をつけてしまうと、医師、患者ともに、何か安心してしまう様な病名です。
一旦その病名をつけてしまうと、医師もそれ以上その症状を詮索しなくなります。

自律神経失調症という病名もそのような病名です。
なにかわからないような症状は、なんでもかんでも自律神経失調症という病名をつけてしまいがちです。

自律神経は、医学生の時には(私はあまり授業には出ませんでしたが)解剖学よりも薬理学や生理学で学んだ記憶があります。
非常に単純にいえば、自分の意志でコントロ−ル出来ない部分を支配している神経です。

たとえば、心臓の動きを支配している神経は自律神経です。私達は自分の意志力で心臓を早めたり遅くしたりはできません。運動したりすると勝手に心臓が早く動くように自律神経で支配されています。

血管も同様です。血管が膨らんで血液が多く流れ、顔が赤くなったりするのは自律神経の役割です。

その自律神経がうまくコントロ−ルできないような状態を自律神経失調というのでしょうが、しばしば更年期に現れます。

突然に血管が広がって、ほかほかと顔が火照るのです。でも自律神経が全く働いていないわけではないので、火照りすぎると直ちに自律神経の作用で逆に血管が縮まるようになり、火照りの暖かい感じのあとで、今度は逆に寒気がきます。

何故更年期に自律神経の失調のような症状がでるのでしょうか。残念ながら私は不勉強のためによくわかりませんが、女性ホルモンのアンバランスという為におこるのだと教わりました。
しかし<アンバランス>という言葉も<ゴミため>のような名前で、<アンバランス>という言葉の意味もあまりわからないまま、使っています

私は自律神経失調という言葉は嫌いです。
しかしながら、私は患者さんへの説明には、わかってもらいやすいので、「自律神経失調症」とか「ホルモンのバランスが悪い」とかと説明します。
(でも、つっこまれて質問されるなら、私は別の話に切り替えてしますでしょうね、たぶん ^_^; )

更年期に起こる<のぼせ>は、更年期障害に述べました。

私(秋山)はスポ−ツ事故により、首から下の交感神経という自律神経が麻痺しています。例えば、いくら暑くても、肩から下の身体や手足にまったく汗がかきません。常にさらさらな感じです。
汗や油が皮膚に出ないので、皮膚は常に乾燥していて、しっとり感は全くありません。しっとりしていないと物を掴んでも滑ってしまいます。
でも日常生活には、さしあたっての不都合はあまりありません。

自律神経失調ですという患者さんには「自律神経失調と言ったところで、自律神経が完全に麻痺してるんじゃないでしょ。自律神経失調くらいではたいしたことはありません」・・・と自律神経が完全に麻痺している私は思います。(ひがみですねえ (^^ゞ)

2017年1月3日