産婦人科の迷信−私の考え

産婦人科関係の迷信は非常に多いものです。

女性蔑視の迷信が多いのも、いやです。私は最も嫌いです。
「おなごなど勉強させない方が良い」と優秀な女子高校生が大学進学を親から禁止されそうになりました。
私の知り合いの女性が、PTA会合で女性同士の楽しいおしゃべりしていると、偉いおじさんから「女性は男性群に酒を注いで回ってくれ」といわれたとか。
女性蔑視はありすぎてありすぎて・・・・書き出すときりがない。


普通に言われるような男女の産み分け方法は迷信だと私は思います。
性生活の体位や性生活の日などで男女の産み分ができると信じている人もいます。
男女の産み分け方法は、賭け事でいえば丁か半かなので、当たる確率も高い為、今も言い伝えられているのでしょう。

腹帯を巻かないと赤ちゃんが大きくなりすぎるという迷信もあります(ありました?)。
江戸時代にはすでに腹帯をきつく巻き過ぎないように注意を促している医師もいました。当時は産婆(とりあげ婆)、が助産をしていたので、迷信をなくすのは大変だったと思います。明治大正昭和をへて平成の現在もまだ信じている人がいます。

「お産のあと寝てしまうと死んでしまうのですか」と、お産が終わったばかりの人から聞かれた事がありました。その人はそう信じていたんですね。
私は「安産でしたが、お疲れでしょう。ゆっくり休んで寝てください。死んでしまうなどと言う事はありませんよ」と答えておきました。その人は、安心してゆっくり寝ていたようでした。

その他の迷信では、7日帰りなどというのもありましたね。分娩後七日目に退院すると良くないという迷信です。しかし人によって、その七日目が一体いつなのか一致していずにもめていました(満で数えるのか数えで数えるのかが違っているためですね)。そんな事を信じている人がいるんですねえ。

大工さんなどのように危険な職業についている人の奥さんがお産をすると、旦那さんは奥さんに数日は会ってはいけないという迷信があります。これも、ひどい迷信ですねえ。

赤ちゃんの迷信でも、かなりありますよ。
抱っこしすぎると抱き癖がつくとか、母乳だけだとミルクを飲んでくれないとか、泣かせすぎると<でべそ>になるなど。

<妊婦は葬式に出るときには鏡を懐に入れること>などというのもありました。こんなのも無論迷信ですが、あまり目くじらを立てる必要もないでしょう。
安産祈願で神社をおとづれるようなもので、むしろほほえましいような気もします。

お宮まいりなど、伝統行事のようなもので、迷信でしょうが、その家族にとって多大なストレスがかかるわけでもありません。むしろ両親にとっては晴れがましい行事でしょうね。どうぞ。やめる必要はありません。

しかし、本人や家族に非常に負担をかけるような、迷信の方が多いようです。それでは困りますね。

まよったら、全部迷信であると思った方がよいと思います。

脳外科や心臓外科などには、この様な迷信?はありません。
産婦人科の周辺には、このような、嘘の迷信だらけですので、いちいち書いている訳にはいきません。
心配なら外来で私(秋山)や加藤助産師に聞いてくださいな。


2017年1月3日