卵巣癌(らんそうがん)

卵巣(らんそう)は子宮の左右にくっついているような感じの、親指の先ほどの大きさの白っぽい色をしているものです。触るとコロコロと硬い感じがします。
(子宮の大きさは卵くらいの大きさ)

卵巣とは、字の如く、人間の卵が無数につまっている巣のようなものと思って良いでしょう。
思春期(ししゅんき)から更年期(こうねんき)まで、この卵巣から大凡月に一回、目に見えない小さな小さな人間の卵がおなかの中に出るわけです。この卵が卵巣から卵巣の外に出ることを排卵(はいらん)すると言います。

鶏のように、体外に卵が出てくるのではないし、人間の卵は直径が大凡0.1mm程の小さなものなので目にみえません。無論鶏のように殻などはついていません。

この卵巣から、良性(りょうせい;ガンでない)の腫瘍(しゅよう)、しばしば卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)といわれますが、とか悪性の卵巣癌とかが発生してきます。

良性の卵巣嚢腫は、若い女性から高齢の女性までに見られます。まだお母さんのおなかにいる胎児でも卵巣嚢腫になっている場合を経験したことがあります。小学生の卵巣嚢腫も手術したことがあります。

悪性の卵巣癌も、若い人から高齢の人にまで発生します。卵巣癌はそう多く見られるものではありませんが、しばしば手遅れになるので嫌な病気です。

青森県や秋田県では超音波検査をおこなって、早期に卵巣癌をみつけようと努力してきました。
実際に早期発見された人もいます。

まだ明確に決まっている訳ではありませんが、一年に一回は超音波で卵巣の検査を受けた方が良いと思います。ただし超音波をおこなったからといって全ての卵巣癌がみつかる訳ではありません。非常に小さなものなどは見つけにくいのです。

卵巣嚢腫が見つかった場合には、超音波や、CT(シーティー)やMRI(えむあーるあい)というレントゲン検査でさらに詳しく調べることができます。

卵巣癌でも良い抗癌剤が出現していますが、まだまだです。
完全に治すにはやはり早期に卵巣癌を発見するのが良いのですが、その方法は、今のところ、超音波で検診するのが良い方法だと私は思います。

将来には、もっと良い方法が見つかでしょう。