子宮脱(しきゅうだつ)、  膀胱脱(ぼうこうだつ)

子宮脱も膀胱脱もほぼ同じ意味です。
子宮や膀胱が腟(ちつ)の外に出てくる病気です。お産の経験がある、やや高齢の女性に見られる病気です。しばしば恥ずかしがって、我慢してしまう人が多いのですが、結構悩んでいる人も多いので、気楽に、受診してくださいな。

トイレや風呂場などでしゃがんで、おなかに力を入れたりすると、腟の奥から何かが出てくることがありますが、そんな時はこの病気の事があります。
症状は、おしっこする時に、うまく排尿が出来ない事、そして何かが股に挟まっている感じがするという方が多いようです。

子宮脱または膀胱脱の治療は手術またはリングです。また子宮脱用の下着もあります。

手術のほうが多いと思いますが、高齢であって手術に耐えられないような方はリングのことがあります。
通常は、大きさ7〜8cmの丸い、やや弾力のあるリングを腟内に入れます。時々チェックしますが、入れっぱなしです。数年に一回交換することもあります。

子宮脱用の下着は<フェミクッション>と言う名前で、インタ−ネットで注文し使っている人を知っています。
ガ−ドルのようなものを穿き、外陰部に盛り上がったパッドをつけ、そのパッドをガ−ドルに付いているベルトで引き上げるのです。3万円位の高価なものですが、その人は良いと言っていました。

手術はいろいろな方法があり決まった方法はありませんが、私は多くの人が行っている腟式子宮全摘(ちつしきしきゅうぜんてき)と腟壁形成術(ちつへきけいせいじゅつ)という方法を行っています。
膣の方から手術をするので、おなかを切る事はありません。
膣の方から子宮を取ります。そして、膀胱はとらずに、下がってこないように補強する手術です。
麻酔(ますい)して手術を行いますので、10日ほどの入院が必要になるでしょう。

手術しても性生活はできます。

当院では手術は出来ませんので、信頼の置ける病院を紹介します。