リング

子宮の中に小さなリングのようなものをいれて避妊(ひにん)する方法です。子宮内避妊具と言われます。

日本の太田先生は避妊リングの魁の一人でしたが、当時は戦争のため<うめよふやせよ>の時代でしたので、
避妊の研究をしている太田先生などは国賊といわれ、その研究をだれも認めようとしなかったそうです。

太田先生の太田リングはプラスチックでできている本当に丸いリング状のものです。
私も以前は大分つかいました。丸いリングなので子宮に入れるときも、取り出すときも、時間がかかるし、痛みがありましたね。

その後リッピスル−プというのを使いましたが、これはリング状ではなくくねくねと曲がっているようなプラスティック製でした。
その後、FD1というプラスチックの魚の骨のようなリングと細い銅のワイヤ−が巻かれているマルチロ−ドCUというリングを使用しました。

現在ではホルモンがはいっているミレーナというリングを使っています

ミレーナは、リングにホルモンがしみこんでいて、そのホルモンがジワジワとゆっくり溶けて効果を発揮します。
避妊の他に月経困難症などにも使います

リングの避妊効果は、受精卵の子宮内膜への着床(ちゃくしょう)を防ぐためです。
排卵を防ぎませんし、子宮外妊娠(しきゅうがいにんしん)なども防げません。
また稀にですが、子宮内の普通の妊娠も起こることがあります。リングがずれたりするためでしょうか。
つまり、リングの避妊効果はピルよりわずかに劣ると言えます。
ミレーナは、月経量も少なくなり、ほとんど月経が来なくなって、とても楽になる人もいます。

リングを子宮に入れるときは、大凡数分以内に入れることが出来ると思います。
痛みはごく僅かの痛みであり、麻酔などは使いません。

一回入れると、以後は一年に一回程度の定期検診のみで良いと思います。
ミレーナは、ホルモンがなくなってしまう五年間は入れっぱなしです。

避妊のためのリングには保険はききません。入れる時と、取る時、交換する時には、自費の料金がかかります。
自費料金表をご覧ください。

2021年8月